まんじゅうのように寝る?

 和歌山城公園動物園では、ヨーロッパフラミンゴ10羽と、今年やってきたチリーフラミンゴ2羽の12羽を飼育しています。

 本来は数百~数千羽の群れをつくり、アルカリ性の湖や干潟に生息する鳥なので、仲間が少なくても安心できるよう、大きな鏡を壁にはり付け、多く見せる工夫をしています。とても憶病で、飼育員が池の掃除に入ると一気に距離を取り、低くて大きな声で鳴き、終わると全羽で一斉に移動し、池の様子を確認しています。

 種類によって色の濃淡はありますが、体はピンク色をしています。しかし、生まれたばかりのヒナは白に近い灰色なので、不思議ですよね。色の秘密は食事にあります。

 主食の藻類や甲殻類などに含まれるカンタキサンチン、βカロテンといった赤い色素が体に蓄積されることで色付きます。ヒナは、親がのどにある消化管の一部で作った赤い「フラミンゴミルク」を口移しで与えることで色が変化します。当園では必要な栄養素が含まれる専用のエサを食べているので、きれいな色を保っています。

今回の担当:柳谷朝香さん

 4~5月ごろになると翼を大きく広げたり、首をまっすぐ伸ばして頭を左右にキレよく振ったりして、カップルが愛を確かめ合います。いつか産卵してほしいなぁと思っています。

 見た目はもちろん、12羽がたまに見せる行動も魅力的。本来は立って寝る鳥なのに、当園では足を折りたたみ、地面におなかを付け、おまんじゅうのように丸まって寝ています。安心しているんでしょうか。このほか、夕方になると自分たちの落とした羽をくわえ、水の中で頭を左右にゆらゆら振って遊ぶ姿も。見ているだけで笑顔になるかわいさです。

写真=足が白い2羽は新顔のチリーフラミンゴ

(ニュース和歌山/2021年9月11日更新)