《回答者》
◆外 科
楽クリニック
藤田  定則院長

 脱腸の診断を受ければ、基本的に治療(手術)するのが原則です。最近は日帰り手術を行っている医療機関も増えましたので、治療予定を立てるのもとても楽になってきました。

 事前に受ける検査で問題がなければ手術日を迎えます。手術当日は絶食です。血圧、酸素濃度などを測り、眠くなる薬の点滴を開始します。麻酔がしっかり効き、眠った状態になれば手術が始まります。

 手術では、入り込んだ腸などの臓器を元に戻し、腹膜を閉じます。原因となった弱った部分には、体に無害な網状のシートを入れて補強します。手術はおよそ1時間程度で終了します。

 手術直後から歩行が可能です。強い痛みや、吐き気、めまいなどがないことを確認し、手術後の説明を受け帰宅します。術後疼痛には飲み薬や坐薬を使用します。強力な痛み止めを使用することはありません。

 術後2~3日ほど療養し、仕事復帰している方が多いようです。

                                         (ニュース和歌山/2022年11月27日更新)