《回答者》
◆循環器内科
みなかた クリニック
南方 常夫院長

 お話を伺いますと、サバを食べた数分後に顔が赤く気分が悪くなり、おう吐などの消化器症状とじんましんが出たとのこと。サバのタンパク質に対してアレルギー状態が発生した食物アレルギーか、もしくは、サバに寄生するアニサキスが原因のアレルギー反応の可能性があります。

 しかし、食物アレルギーに似た症状を呈する「ヒスタミン食中毒」も考えられます。これは、アレルギー症状を起こすヒスタミンという物質を多量に蓄積した魚を食べることで発症します。

 魚の筋肉にはヒスチジンというアミノ酸が多く含まれていますが、魚にヒスタミン生成菌が付着するとヒスチジンがヒスタミンに変換され、魚肉中に高濃度に蓄積されます。このときの魚はコショウのような味または苦味がします。ヒスタミンは加熱で破壊できません。しかし、魚を捕獲後、適切に貯蔵することで予防できます。

 ヒスタミン食中毒は、魚を食べた10〜30分後に症状が出始め、多くは24時間以内に消失します。治療には抗ヒスタミン薬(H1およびH2受容体拮抗薬)などがあり、下痢やおう吐、血圧低下などがある場合には、補液など対症療法を行います。主治医とよくご相談ください。

(ニュース和歌山/2023年11月26日更新)