《回答者》
◆消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医
福 昭人院長
熱中症というと「めまい」や「意識障害」が思い浮かびますが、消化器外科の立場から見ると、熱中症や脱水は胃や腸、胆のうなどのおなかの病気を悪化させる大きな原因にもなります。
脱水になると血液が濃くなり、胃や腸への血流が低下し、食欲不振、吐き気、嘔吐、腹痛などが現れます。高齢者では腸の動きが弱くなり、便秘や腸閉塞を起こしやすくなるほか、腸への血流不足から「虚血性腸炎」を発症し、突然の腹痛や血便で救急受診される方も少なくありません。
特に注意したいのが胆石をお持ちの方です。脱水で胆汁が濃くなると胆石が動きやすくなり、激しい右上腹部痛を伴う胆石発作や、発熱を伴う急性胆のう炎を引き起こすことがあります。急性胆のう炎では緊急入院や手術が必要になるケースもあり、油断は禁物です。
予防の基本は、喉が渇く前からこまめに水分を補給することです。汗を多くかいたときは塩分も補給し、エアコンも適切に使用しましょう。高齢者は喉の渇きを感じにくいため、ご家族の声掛けも大切です。腹痛や嘔吐、血便、高熱を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。
(ニュース和歌山/2026年8月15日更新)




























