《回答者》
◆整形外科
和歌山健診クリニック・キタデ
再生医療外来担当医
北出病院整形外科医長
阪田 武志 先生

 一般的な保存療法やPRP療法で改善が乏しかった方に適応となるのが、自身の脂肪を用いた「脂肪由来幹細胞治療」です。

 幹細胞とは、骨や軟骨など、さまざまな組織に分化する能力や、自分をコピーして増やす能力を持った特別な細胞です。

 この治療では、まず、局所麻酔下で腹部などからごくわずかな皮下脂肪を採取します。その脂肪を国の認可を受けた専門施設へ送り、5〜6週間かけて脂肪の中にあるわずかな幹細胞を、数千万個から1億個規模まで大量に培養して増やします。そして、増殖した細胞を膝関節内など患部に注射します。注入された細胞が患部の炎症を抑え組織の修復を助けることで、長期的な痛みの改善が期待できます。

 自身の細胞を使うため、拒絶反応の心配もなく、高齢の方や持病で手術が難しい方でも受けることが可能です。入院も不要で、日常生活を送りながら根本的な症状の改善を目指せる点は大きなメリットです。

 ただし、高度な技術が必要となる治療であるため、検討される場合は専用の設備や管理体制が整い、専門知識を持つ整形外科医が在籍する医療機関を慎重に選ばれることをおすすめします。

(ニュース和歌山/2026年8月15日更新)