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 和歌山市のソプラノ歌手、矢倉愛さんと豊中市のピアニスト、加藤英雄さんが1月、初心者に分かりやすくオペラの魅力を届けるイベント「オペラはじめます」を和歌山市島崎町のもくれんで始めた。12月まで毎月1回開く予定で、第2回の2月18日(木)は、ヴェルディの『椿姫』を上演。矢倉さんは「『オペラは敷居が高い』と感じる人が、オペラの〝オ〟の字を知る入門となれば」と呼びかけている。

 矢倉さんは大阪音楽大学短期大学部を卒業後、数々の演奏会に出演するかたわら、岩出市コーラスクラブや岩出第九合唱団を指導。2008年にはオペラを気軽に楽しんでもらおうと「ザ・オペラワカヤマ」を発足させ、商業施設などで公演する。加藤さんは大阪音大卒業後、西宮市を拠点にピアノ教室や合唱団などを主宰し、ザ・オペラワカヤマでも活躍する。

 今回は1年を通じ、2人でオペラや喜歌劇のオペレッタ計12作品を紹介する。初回の1月はヨハン・シュトラウスの『こうもり』を披露した。あらすじや人物相関図を書いた手作りのプログラムを配布。乾杯のシーンでは来場者にシャンパングラスを配って実際に乾杯したり、一緒に合唱するなど、客席と一体となる工夫をこらす。約3時間の内容を1時間半にまとめ、矢倉さんが1人3役をこなし、各シーンを解説でつなぐ息の合ったかけ合いも好評だ。

 次回の『椿姫』はオペラで最も有名と言われる作品で、パリの社交界を舞台に、ヒロイン、ヴィオレッタの切ない運命を描く。矢倉さんは「意外と結末を知らない人が多いので、最後まできっちりと聴かせます。遠い舞台でなく身近な距離で生身の迫力を感じてほしい」と意気込む。

 午後8時。1500円。希望者はもくれん(073・427・4200)。先着25人。3月10日(木)はレハールのオペレッタ『メリーウィドウ』を上演する。

(ニュース和歌山2016年2月6日号掲載)