60歳以上の年輪を重ねた人が参加する「ねんりんピック」。この和歌山大会開催まで1年あまりに迫った。スポーツに限らず、文化、健康イベントと盛りだくさんで、開会式では選手、関係者1万人、期間中、観客を含め40万人の参加が見込まれる。県はPR真っ最中で、「3人に1人が高齢者の時代が迫る。高齢者が何かを始め、生き生きと暮らすきっかけにしたい」と力を込める。

来秋 健康と福祉の祭典〜和歌山県 PR強化 経済効果に期待

 正式名は「全国健康福祉祭」。1988年に厚生省50周年を記念し、第1回が兵庫で開かれた。以来、厚生労働省、開催自治体などの主催で毎年各地で開催。32回目の来年は11月9日(土)〜12日(火)、和歌山県が会場となる。

 卓球やテニス、剣道などスポーツ交流、グラウンドゴルフ、ダンス、ボウリングのふれあいスポーツ交流、囲碁将棋や民謡といった文化交流27種目を21市町で実施する。地方大会や都道府県の推薦を経た60歳以上によるチーム、個人が出場し、楽しみふれあう。

 「和歌山ならでは」の交流大会のひとつは田辺会場。合気道の開祖、植芝盛平の出身地にちなみ、合気道を初めて行う。県合気道連盟の冷水照夫副理事長は「田辺市には開祖の足跡が残り、一度は来てみたいとの声は強い。たくさんの人が参加してくれると思う」と期待する。また、麻雀関連製品のシェア1位を誇る大洋化学がある御坊市では健康マージャン大会を実施。「酒を飲まない、たばこを吸わない、金をかけない」健康麻雀は高齢者に注目され、来月には同市でのリハーサル大会を控える。県麻雀段位審査会の重里新(じゅうり・しん)会長は「御坊市は麻雀に親しみ、理解ある人が多く、100人規模の大会実績もある。11月の富山大会を見学し、成功を目指したい」。

 この大会の特徴は文化交流だ。囲碁将棋に加え、11年ぶりの民謡は有田市で、シニアに人気の俳句は有田川町となる。俳句は事前投句を募集する一方、当日は町内を散策し句作。和歌山文化協会の桑島啓司事務局長は「目標は300人。全国から来てもらい、有田川だけでなく他の名所も巡り、句作してほしい」と望む。

 県は開催に向け、今夏、キャラバン隊を組んで各地の催しでPR。9月には大会のボランティアを募り始めた。また、PRする協賛イベントも募り、周知を図っている。

 見過ごせないのが経済効果。昨年の秋田大会では経済波及効果が107億円に上り、会場となる自治体も熱が入る。県ねんりんピック担当参事の西川隆博さんは「参加者は時間的余裕があり、観光やお土産の購入も楽しみにしてくれている。県内消費に期待ができ、ぜひ大会を〝地域活性化のチャンス〟と捉えてほしい」とし、「再び和歌山に来たいと思って頂ける大会を目指します。まずは地元の人にねんりんピックを知ってもらいたい」と話している。

写真=きいちゃんのうちわでねんりんピックをPR

 

ねんりんピック ボランティア募集

 全国から集まる選手、関係者を歓迎し、式典やイベントなど大会運営を支える。期間は来年11月8日(金)〜12日(火)で、場所は紀三井寺公園陸上競技場など。対象は2004年4月1日以前生まれの人で、グループ可。希望者は実行委(073・441・2570)。

(ニュース和歌山/2018年9月22日更新)