高齢者や障害者にネイルアートを施す福祉ネイリストの養成校ゼロエイトネイル&スクールが4月、和歌山市坂田に開校した。指導する佐竹美早紀さん(33)は「指先の色を見るだけで脳への刺激になります。介護予防を担うネイリストを増やしたい」と力を込める。
福祉ネイリスト養成校誕生
福祉ネイリストは2014年に設立された日本保健福祉ネイリスト協会の認定資格。ネイルアート技術に加え、福祉と介護の現状、高齢者や障害者の特性、色彩心理の講習を7日間受け、試験と研修を経て取得できる。現在、全国に586人、県内では5人。寝たきりでネイルサロンに行けない人らの元に訪問する。
4月9日は、講師の佐竹さんと取得を目指す舛井里江さん(34)が同市舟津町の老人ホーム、かしの木苑を訪問。爪の表面や形を整え、利用者が選んだ色のマニキュアを塗り、1人20分ほどで仕上げていった。
春らしい薄ピンク色にした中江千鶴子さん(90)は「前回もきれいにしてもらい気分が良かった。指が生き生きして、心まで元気になります」と喜ぶ。介護福祉士の澤野順子さん(51)は「ネイリストとの交流も楽しみの一つ。爪をきっかけに会話も弾み、ネイルの力を感じます」と太鼓判を押す。
舛井さんは「訪問を楽しみにしてもらえるよう、早くきれいに完成できる技術を磨きたいです」と笑顔を見せていた。
同スクール(073・488・4881)。
写真=かしの木苑で利用者にネイルを施した佐竹さん(左)
(ニュース和歌山/2019年5月18日更新)