天の川をメーンにした風景写真の展示会を和歌山市の三本重信さん(82)が8月31日㊏まで、同市岩橋の紀の国文化センター紀風で開いている。「町に明かりがほとんどなかった子どものころは、日によっては街中でも天の川を見ることができた。今は見えないが、いつもの風景の中に天の川は存在していると感じてほしい」と目を細める。

 5年前に狭心症の手術を受けた三本さん。医師から遠方へ行くのは難しいと言われ、趣味の撮影旅行ができなくなった。そこで、これまで撮りためた和歌山の風景と、天の川を合わせた写真を作れないかと、機材や撮影方法を一から勉強し直し、肉眼で確認できない小さな星を撮れるように。これに明るさを変えた風景写真を合成し、天の川と組み合わせた作品づくりを進めてきた。

 有田川町の道にあじさいが咲き、空には天の川の美しい星々が浮かんでいる写真を撮影したとき、「たくさんの人に見てもらいたい」と、24年ぶりの写真展を思い立った。

 和歌山市の四季の郷公園でツツジの上に輝く天の川、紀の川市の百合山に咲く桜の淡いピンクと夜の闇に浮かぶ星の明かりが幻想的に映し出された作品など、12点を展示している。「今の自分の体でできる範囲で、やりたい夢を見つけた。写真の合成技術を勉強し、努力したことは必ず役に立つと実感している」と話している。

 午前9時~午後5時(㊏は1時)。㊐休み。三本さん(073・471・8938)。

写真=幻想的な天の川とあじさい

(ニュース和歌山/2019年8月17日更新)