猫エイズや猫白血病など隔離が必要な猫の専用ルーム「セカンドハウス Niko」を、和歌山市榎原の吉田藍さんが9月26日㊏、自身の経営する保護猫カフェ「猫の道草」隣に開設する。

 吉田さんは4月、やせて毛がボロボロの状態で雨に打たれている猫を近所で見つけ保護。病院で猫エイズと判明した。猫エイズにかかった猫は「りんご猫」と呼ばれる。けんかのかみ傷からうつることが多く、別の猫に感染しないよう別棟のケージで世話をしてきた。肉付きや毛づやは徐々に良くなったが、ストレスを減らすことで発症を抑えられればと専用ルームを造った。


 この後、さらに保護した猫が猫白血病、猫エイズと猫白血病の両方に感染していることが分かり、現在、隔離して飼育する猫は4匹に。専用ルームには約3畳の部屋を3つ設け、猫エイズ、猫白血病、両方に感染した猫に分けて飼う。

 和歌山市動物愛護管理センターによると、同市では年5~600匹の猫を保護し、このうち昨年度は約150匹が引き取られた。同センターは「猫エイズや猫白血病は人間に感染せず、大半は発症しないまま寿命を迎える。保護した中にりんご猫もいるが、譲渡率は低い」と話す。

 専用ルームの猫たちは10月16日㊎から見られる。吉田さんは「最近は保護猫を飼いたいと希望する人が増えているので、選択肢の一つにりんご猫の存在を知ってもらえれば」と呼びかける。

 同カフェ(073・407・1852)。

写真=「最期まで面倒見ると決めました」と吉田さん

(ニュース和歌山/2020年9月26日更新)