2016年秋開幕のバスケットボール新リーグ、Bリーグへの参入を目指す和歌山トライアンズ。現在はどこのリーグにも所属せず、公式戦を行えない状況だが、選手や監督は「トライアンズキャラバン」と題し、地元の小学校を回って地域密着を図る。中島卓也選手は「私は関東出身ですが、和歌山の子はこちらが失敗しても突っ込んでくれるなどノリが良いですね。教えたメニューを休み時間などに楽しんでもらえれば」と笑顔を見せる。
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 2013年秋から2シーズンをNBL(ナショナルバスケットボールリーグ)で戦ったトライアンズ。2年目途中の2015年1月、経営難でチーム存続が危ぶまれたものの、全国のファンからの寄付を受け、シーズン終了まで戦い抜いた。今秋からのNBL参加は認められなかったが、来秋発足するBリーグへの参入を目標に活動を続ける。

 キャラバンは10月7日にスタートし、週2回のペースで和歌山市内を中心に小学校を訪問する。年内最後となった12月10日は20校目。中島選手、津野田祥成選手が四箇郷小学校4年生60人とふれあった。

 まず、ボールに親しむメニューを紹介した後、ドリブルやシュートのコツを指導。最後に津野田選手が「練習して上手くなることも大事ですが、人の話をちゃんと聞く、集中して取り組むなど、普段の学校生活でも参考にして取り入れてほしい」と語りかけた。

 練習を終え、佐藤美颯(みはや)さんは「ドリブルの練習で初めてボールを上手に突くことができました」。西口功洋くんは「質問の時間もあって、選手と交流でき楽しかった」と喜んでいた。1組担任の寺井隆文教諭は「選手から〝勝ちより負けの方が大事なことがある〟との言葉をもらいました。子どもたちにはいつも『失敗を恐れず、まずはやってみよう』と呼びかけていますが、改めて苦手なことにも積極的に取り組むよう働きかけたい」と話していた。

 キャラバンは年明けも続ける。和歌山市内以外の市町村や、幼稚園、保育園にも広げたい考えだ。なお、応援してくれるサポートショップを募集中。詳細はプロバスケットボール運営委員会(073・400・2715)。

写真=シュート時の手の使い方を説明する選手たち
(ニュース和歌山2015年12月19日号掲載)