昭和28(1953)年7月の紀州大水害は、死者615人を出した未曾有の豪雨だった。『県災害史』に、「山津波のため、天然ダムが各所に形成され、最も大きいのは伊都郡花園村金剛寺の天然ダム。高さ約80㍍、堤頂の長さ約250㍍」とある。

 ダムでできた湖は金剛寺新湖と呼ばれ、直後の台風13号の増水で決壊したため、岩盤を切り開いて放水した。その時にこの滝ができ、金剛寺新湖から名付けられた。

 人工の滝だという人もいるが、災害により出現したことに違いなく、紀伊半島は、豪雨災害や地殻変動により、新たに出現や消滅する滝が多い。

 旧花園村は、恐竜ランドで村を売り出したが、滝の上にあるのがドラゴンというのも災害への強烈なメッセージだ。

 ※経路…かつらぎ町の金剛緑地オートキャンプ場すぐそば

(ニュース和歌山/2018年11月10日更新)

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。