和歌山市の礎が水辺にあることは、城下町の絵図を見ればよくわかります。大坂と江戸を結ぶ大動脈であった紀伊水道から船を引き込むべく、市堀川が開かれ、街は発展しました。戦災を経て、今も流れる川は貴重な歴史遺産です。一昨年から行っている市堀川クルーズで船から街を眺めると、優美な弧を描く寄合橋や、川沿いの街のたたずまいは、和歌山の発展を支えた水辺の物語を想起させます。これらを、まちなか再生の基軸に据えてはどうでしょうか。

(和歌山大学准教授 永瀬節治さん)

和歌山市の市街地を流れる内川を切り取った1枚を紹介する「MIZBE SCENE(ミズベ・シーン)」は隔週土曜号で連載します。

(ニュース和歌山より。2017年4月20日更新)