新年あけましておめでとうございます。

 昨年末、慌ただしい中での総選挙は自民党の圧勝に終わりました。数ある論評の中、「これで地方創生は待ったなしになった」の声が耳に残ります。景気とともに政策の行方に目が離せない1年になりそうです。

 地方と言えば、ふと気づきます。それは「田舎」を否定的にみる価値観がいつの間にか消えつつあることです。かつて都会へ出た学生は方言を気にして無口になりました。独特の習慣、食べ物は笑いの種になりました。しかし、今、地方の珍しい料理はテレビでも注目され、時折、方言の出る人のほうが「味がある」と言われます。

 また、地方に新たな可能性を求める若い人が出てきています。歴史ある建築物や農作物など地元の個性を見定め、長期展望を持ちながら今風に表現し、地域の課題解決を図る人たちです。「都会に出て故郷に錦」ではなく、「故郷にいて故郷に錦」を目指す人たちは新たなフロンティアです。

 紀の国わかやま国体・大会、高野山開創1200年と今年の和歌山は話題に事欠きません。昨年、創刊半世紀を迎えた本紙は今年も和歌山の今、そして輝きを伝え、未来の和歌山を拓く一翼を担います。

 本年も変わらぬご愛読を頂けますよう、よろしくお願い致します。  

 2015年元旦  ニュース和歌山株式会社

絵画について

   晨 響

 今は見ることのできなくなった有田川町修理川の風景。晨響(しんきょう)は朝の響きという意味です。新しい時の訪れです。

 日本芸術院会員  清水達三