読者から寄せられる多くの謎に、編集部員が「確かに何でだろう?」と思うこともしばしば。今回もそんな質問です。紀の川市の40代女性から届いた「貴志川に架かる〝もろい橋〟。橋なのに〝もろい〟とつけていて、縁起が悪く感じますが…」を調べます。

 漢字で書けば「諸井橋」ですから、〝脆い〟との意味ではないでしょうが、右岸側の橋名板は写真の通り、ひらがな表記。初めて渡る人はちょっと勇気がいるかも? 右岸は井ノ口、左岸は国主なので、地名から名付けた訳でもなく…。


すぐ上流にある諸井堰から命名

諸井橋のすぐ上流に堰が見える

 「貴志川に架かる〝もろい橋〟。橋なのになぜ縁起の悪い〝もろい〟とつけている?」。1980年代発行の『貴志川町史』で、編集委員を務めた的場範夫さんに聞くと、「〝諸井堰〟のすぐ近くに造られた橋だからと伝え聞いています」とのことでした。

 諸井堰は、諸井橋が架かっているすぐ上流にあります。右岸と左岸の田んぼへ水を引くためのもので、両方を表す〝諸〟と、水をくむところの意味を持つ〝井〟を付け、諸井堰と名付けられました。

 今の諸井橋は2019年に完成してまだ4年。ちなみに、管理する県道路建設課によると、橋の正式名は「もろいばし」でなく、「もろいはし」だそうです。

(ニュース和歌山/2023年4月15日更新)