ご存知? 改正健康増進法

 「今日も元気だ、たばこがうまい!」というフレーズを覚えている読者はいらっしゃるでしょうか。1957年に日本専売公社(現在のJT)が作成したポスターのキャッチコピーで、当時はあたかもたばこは健全な大人の必需品のような風潮がありました。

 それから半世紀以上の時間が流れ、昭和から平成、そして令和となった現代は「原則屋内禁煙」となり、違反者には罰金が科せられる時代になりました。「えっ、たばこを吸うと罰金をとられるの?」「そんな事、いつ決まったの?」と思う人も多いでしょう。実は今年4月1日に施行された「改正健康増進法」にそんな内容が盛り込まれているのです。ご存知でしたでしょうか。

 ちなみに、JT全国喫煙者調査によると、成人男性の喫煙率は、1965年の82・3%に対して2018年度のそれは、なんと27・8%です。たばこを吸わない人が大多数な現在の世の中にあっては、他人のたばこの煙を吸わされる「望まない喫煙」(受動喫煙)を防ぐために原則禁煙は当然とも言えます。

 今、世界は新型コロナウイルスの猛威に震えています。そのために命を落とす人が急増し不安な日々を送っていますが、喫煙が原因の疾病で死亡する人も世界で毎年700万人もいるとWHO(世界保健機関)が警告しているほどたばこは深刻な健康被害を及ぼしています。

 それもそのはず、たばこの煙には毒物劇物に指定されているような有害物質が含まれ、その種類は約4000もあり、発ガン性が確認された成分もあるのです。その証拠に、たばこのパッケージには「喫煙はあなたにとって肺がんの原因の一つとなります」などの警告が印刷されています。

 「たばこ問題を考える会・和歌山」は1987年から、このようなたばこの現実を広く市民に啓発すべく活動してきました。このたび改正健康増進法の施行に際し、こうして紙面をお借りできる機会を頂きましたので、次回からもうちょっとだけ詳しく、たばこの正体と和歌山のたばこ事情を紹介したいと思います。

(ニュース和歌山/2020年5月9日更新)