妹背山の下がり松です。多宝塔がある岩山から海面に向けて枝を伸ばしたこの松の姿は、明治末から大正期にかけての絵葉書に数多く残されています。

 それらによると、おおむね大正中期以降、徐々に樹勢が衰えていったようです。

 昭和天皇の皇太子時代、大正十一年十二月に妹背山をご訪問された際の記念写真帖をみると、この松は消滅しています。

 紀国堂=和歌山市ト半町38、県建築士会館1階=店主の溝端佳則さんの古写真のコレクションを紹介します。

(ニュース和歌山/2019年7月27日更新)