奠供山(玉津島神社北西)上の石碑(望海楼遺址碑)は今も変わりがありません。転落防止用の鉄柵は今はコンクリート擬木です。

 夏目漱石がこの山上にやって来たのは明治四十四(一九一一)年八月十四日でしたが、のちに小説『行人』の中で「僅かな平地に掛け茶屋があつて、猿が一匹飼つてあつた」「其処は高い地勢のお蔭で四方とも能く見晴らされた」と書き残しています。

 エレベーターと山上は桟橋状の通路でつながっていましたが、写真からすると山上から南西方向に延びていたようです。

 紀国堂店主、溝端佳則さんの古写真を紹介します。

(ニュース和歌山/2021年1月16日更新)