金銀のカラフルな鳥

 今回ご紹介するのはキジの仲間、「キンケイ」と「ギンケイ」です。体がカラスよりも小さく、尾羽が長いのが特徴です。当園にはそれぞれオス、メスの2羽ずついます。その名の通り、キンケイは金色の羽、ギンケイは銀色の羽を持ち、ほかにも赤やオレンジ色などカラフルな見た目をしています。

色鮮やかなキンケイ(右)とギンケイ(左)

 キジと言えば昔話の桃太郎に出てきたり、和歌で読まれたりしますね。田んぼや草地で見かけた人もいるのでは? 一方、キンケイとギンケイは中国やミャンマーなどの奥地に生息し、現地の人でも見かけるのはごくわずかです。派手なのに隠れるのがとても上手で、詳しい生態は明らかになっていません。

 現地では装飾品や絵画の題材にされていますが、西欧に伝わった絵画の姿があまりにも派手だったため、学者の間では実在しない想像上の生き物だと長く信じられていたそう。当園の子たちもものすごくおく病で、掃除をする時は、パニックになって暴れ、ケガをしないよう、注意しながら作業します。

今回の担当:柳谷朝香さん

 春、オスは高く大きな声で鳴きながら、首にあるエリマキ状の羽を広げて求愛行動をします。つがいになると、クリーム色をした約230㌘の卵を8~12個産みます。当園でも、昔はたくさんの卵を産んでいましたが、今は高齢のため、産卵やふ化が難しく、ちょっと残念…。

 抜けた羽を清掃時に保管しています。いつか、来園者に羽の造りや大きさ、色の違いを説明する機会をつくれたら良いなと考えています。インコとは違ったカラフルなキンケイ、ギンケイを見に、足を運んではいかがでしょう。

 

 

 

(ニュース和歌山/2022年8月13日更新)