偉人の生誕地や、何かが行われた場所に建てられる碑。今回はそんな記念碑についてです。和歌山市の40代女性から届いた「楠見小学校東側の門辺りに『藤田藤市』の大きな石碑があるのですが、何をした人でしょうか?」です。

楠見小東側の門の近くに建つ

 現地に行くと確かに、細い道の脇、草むらの中に2㍍ほどの石が建っていて、〝故藤田藤市君之碑〟と刻まれています。

 周りを見ても、この石碑について説明はありません。一体だれで、何をした人なのでしょうか?

 


 

100年以上前の4代目校長

 「楠見小学校東側の門辺りに『藤田藤市』の大きな石碑がありますが、何をした人?」。楠見小学校で聞くと、「4代目の校長です」とのことでした。

 詳細は分からなかったので、同校の歴史をまとめた百年史や過去の帳簿を調べてもらったところ、校長を務めたのは1902年から13年間。1906年には所有する土地を学校に寄贈し、校舎を増築。さらにその翌年には自身の畑を貸し出して、授業に使ったそうです。

 100年以上前に活躍された方なので、この石碑をいつ、だれが、建てたのかは分かりませんでした。現在の伊藤弘教頭は「4代目校長とは知っていましたが、何をした方なのかまでは知らなかった。子どもたちに伝えていきたい」と話していました。

 自身の土地を学校に提供し、児童に教育の場を用意する、熱心ですてきな方だったんですね。

(ニュース和歌山/2022年8月20日更新)