その道の〝達人〟から技術や文化を伝授してもらうコーナー。7月は和歌山県内唯一の花火製造会社「紀州煙火」の藪田さゆり社長です。

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ここ数年、中止が相次いだ花火大会ですが、今年は日本各地で復活されると話題になっています。

 県内でも、港まつりが4年ぶりに開催されることが決まりました。そこで4週にわたって、代表的な打ち上げ花火の種類を伝授します。この夏、花火を見たとき、「これは○○だ」「この種類の特徴はね…」と、ちょっと〝花火通〟の気分を味わえるかもしれませんよ。

 

★基礎知識(花火の種類)

 まず知っておいてほしいのが、打ち上げ花火は大きく分けて2種類あるということです。ひとつは「割物(わりもの)」といい、ドーンと大きな音とともに、丸い花火が輝く、比較的シンプルなもの。もうひとつは「ポカ物」という種類で、これは打ち上がった花火玉が二つに割れ、中から小さな紙やパラシュート、旗など、細工を施した仕掛けが舞い降りてきます。

 

◆牡丹(ぼたん)

 割物の一種。打ち上げられた後、中心から外側に向かって広がる「牡丹」は、花火大会でおなじみの一発です。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆葉落(ようらく

様々な色が夜空を舞います

 こちらはポカ物。その名の通り、葉っぱがひらひらと落ちるような花火です。花火玉の中に小さな紙が入っていて、これに火薬を塗っているので、そうした落ち方をします。

 

 

 

 

 

 

 

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 割物は東日本でよく見られ、ポカ物は西日本で好んで打ち上げられるなど、実は花火にも地域差があるんですよ。次回以降も、様々な〝大輪の花〟を紹介します。

紀州煙火社長 藪田さゆり

(第1~4土曜掲載。バックナンバーはニュース和歌山HPで見られます)

(ニュース和歌山/2023年7月1日更新)