紀美野町志賀野地区 加工法学ぶ研修

 紀伊半島南部や四国の山菜、イタドリを農山村の収入源にしようと、紀美野町志賀野地区のグループ「きみの山の恵み研究会」は4月17日、加工研修会を開いた(写真)。赤阪恵子会長は「塩漬けにすることで、旬の季節以外にも楽しんでもらえる。他の地元産品と組み合わせて志賀野ならではの商品を生み出し、旅館や料亭に売り込みます」と意気込む。

 春に出るイタドリの若芽は、郷土山菜として県内で「ゴンパチ」「スカンポ」と呼ばれる。日高、西牟婁地方を中心に、山林で採取し、漬物にして販売されてきたが、2011年の水害以降、計画的に栽培できるよう、和歌山県林業試験場が研究を重ねている。場所を選ばず、あまり手間をかけなくても育つため、農山村地域の新たな特産品として期待され、2年前に栽培マニュアルが完成した。

 同地区では昨年から耕作放棄地1000平方㍍で育てている。今回、来春の初収穫に向けて、加工品作りに生かそうと研修会を企画。同試験場の杉本小夜研究員を講師に、会員約10人が湯通しして皮をむき、塩漬けにする工程を体験した。杉本さんから「塩漬けは2回に分けて行い、塩は多めに」とアドバイスを受け、事前に試作したイタドリのベーコン炒めと煮物を味わった。

 取り組みをサポートする和歌山県海草振興局林務課は「かつて海草地域の暮らしを支えたハゼやシュロのように、新たな地域の産物として育てたい。栄養価も高く、普及を後押しできれば」と見守っている。

(ニュース和歌山/2018年4月28日更新)