拠点 9月開設へ準備着々

 猫の駅長とユニークな電車が人気で、年間利用者が220万人を超える和歌山電鐵貴志川線。紀の川市は、市の玄関口となる貴志駅前に観光交流拠点を9月に設けるにあたり、市民参加型のワークショップを開いている。市観光振興課は「市民と観光客との交流スペース、観光地域づくり組織の事務局を設けます。案内機能を充実させ、市内周遊を促したい」と意気込む。

 貴志駅には猫の駅長や近くの農園でのイチゴ狩り目当てに多くの観光客が訪れる。近年、行楽シーズンは駅のスタッフだけでは対応が追いつかず、沿線住民らによる貴志川線の未来を〝つくる〟会が案内に協力している。加えて市民から「観光客に市内の観光情報を発信し、周辺散策につなげられないか」との声が挙がっていた。

 これを受け、市は駅前に拠点を建設することに。9月オープンを目指し、商工会や観光協会などが昨年9月に立ち上げた「紀の川市観光地域づくり組織設立準備委員会」の意見を取り入れながら活用方法を検討する。

 市はすでに昨年11月~今年3月、外国人観光客向けの駅周辺マップを作るワークショップを開催。和菓子店や大きな鬼瓦がある家など地元の人しか知らないものを盛り込み、3月に配布を始めた。参加した貴志川線の未来を〝つくる〟会の奥山和生事務局長は「観光地ばかりでなく、日本人の暮らしを見たいとの観光客の声にこたえる内容」と胸を張る。

 6月9日(土)には、拠点の内装やベンチを作るワークショップがスタート。希望者は5月21日までに同課(0736・77・2511)。

写真=観光マップづくりワークショップには市民が参加

(ニュース和歌山/2018年5月5日更新)