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 2015年度県予算。最終回は教育、子育てにスポットを当てる。

 教育では、11年から県が展開する「国際人育成プロジェクト」を、前年比約2倍の1億7700万円で実施。コミュニケーション力向上を目指し、実践重視の英語教育に取り組む。

 具体的には、各小学校の中核教員1人と中学・高校の英語科教員を対象に、新たに英語指導力向上研修を実施。中高教員にはTOEICの試験を行い、指導者の英語力向上を目指す。

 また、国際的な指導資格「TESOL(英語教授法)」を持つ外国人講師を16人から31人に増員する。全日制の各高校に配置し、研究授業の発表で生徒たちが積極的に英語を使うなどの実践につなげる。中学では、3年生全員に英語検定を実施する。クラブ活動や経済的理由で受験できなかった子どもたちの学習意欲の底上げや、実力把握に役立てる。

 県教委が今年度から実施する「県学力向上対策中期計画」では、退職教員をアドバイザーとして各校に派遣し、校内研修や授業改善に向け助言する事業に1200万円を計上。このほか、毎年秋に開く県美術展覧会(県展)のジュニア部門創設に430万円、小中学生向けのヨット体験教室に365万円をあてた。

 少子化対策では、若い世代向けに新たに960万円をかけ、結婚や子育てに希望を持ってもらうためのポジティブキャンペーンを県内各地で展開。背景には晩婚化の進展があり、県内の初婚年齢は1975年の男性27歳、女性24・4歳から、2013年は男性30・2歳、女性28・6歳と徐々に上がっている。

 キャンペーンは、ウェディングドレスの試着や先輩ママの話を聞く会などを計画しており、将来への不安や「子育ては大変」といったマイナスイメージで二の足を踏む若い世代の背中を押す。

 地域の子育て支援活動強化には1100万円。国が4月に創設する「子育て支援員」制度を受け、県内の学童保育やファミリーサポートセンターといった、子どもを一時的に預かる施設の職員向けに研修を行う。子どもの発達や心理の基本から、遊びや虐待への対応といった専門分野まで身につけてもらい、子育てや保育環境の質向上を図る。

 さらに、障害を持つ子が利用する学童保育には、従来の国からの支援に加え、新たに県独自の補助金を設ける。

写真=外国人講師を増やし、実践的な英語教育を強化する