和歌浦天満宮 大みそ日から展示

 新型コロナウイルスが再流行しないようにと、和歌浦天満宮の禰宜、小板政規さんが疫病退散の願いを込めた巨大な張り子の寅を製作した。12月31日㊎から楼門の脇に飾る予定で、「今年はコロナだけでなく、水管橋の崩壊など、災いにほんろうされた。神聖な虎がにらみを効かせて悪いものを退け、天下泰平の世になってほしい」と願う。

 200年前に大阪でコレラが流行した時、薬屋が虎の骨を配合した薬と共にお守りとして張り子の寅を配ると、病が治ったとの話が残る。昨年、疫病除けにと巨大赤べこを作ったところ、参拝者から好評で、今年はこの伝承を参考に、巨大張り子の寅を2体作った。

 全長60㌢、高さ35㌢、幅30㌢。昨年同様、頭と胴体は8月までのコロナと東京オリンピック関連の新聞記事を使い、上から和紙をはって色を重ねるなどして1ヵ月かけ完成させた。ユニークな顔つきで、あうんのこま犬のように口を開閉した2体が参拝者を迎える。

 また、災いをウソにし、良いことに変える天満宮ゆかりのお守り「うそどり」約100体を彫り、椿の花と共に三が日、手水舎を飾る。うそどりのお守り500体(1000円)と、張り子の寅のお守り(1000円と1500円の2種)も販売する。小板さんは「来年はいろんな悪い出来事が起こっても、全てウソ〟にしていきましょう」と声を弾ませている。

写真=張り子の寅を抱え、手水舎を飾るうそどりに囲まれる小板さん

(ニュース和歌山/2021年12月18日更新)