昨年開かれた紀の国わかやま文化祭の志を継ぎ、今年から11月が「きのくに文化月間」となりました。12日には「昭和拾年代の和歌山音楽事情」と題したシンポジウムで、戦前の昭和歌謡を歌いました。

 振り返れば、11月は私にとって特別な月。節目の大きなコンサートは11月が多かったように思います。中でも、2019年11月13日のファースト・アルバム発売記念に実施した、東京・銀座コンサートは忘れることができません。

 ヤマハが世界に誇る最高の音空間、銀座スタジオで、都内を中心に集まった100人以上の皆さんに向けて、紀州・和歌山の文化「ふるさと癒やし歌」を発信できたのは、本当に夢のようでした(写真)。

 この日は早朝の和歌山から東京へロケバスを仕立て、6人のクルーと共に向かいました。DJを担当していたラジオ番組の収録やDVD用にライブ映像を撮影しようとしていたのです。

 銀座に着くとまず、念入りなサウンドチェックに驚きました。そしてリハーサルでまたびっくり。これまで経験したことのないほど、とっても心地いい響きなのです。本番ではこれまでにない最高のパフォーマンスができました。

 田辺出身で横浜在住のジャズギタリスト、岩見淳三さんが応援出演してくださり、世界遺産、闘鶏神社で行われる田辺祭の情景を描いた『田辺コーライお笠祭り』を木谷悦也さんのピアノで披露しました。銀座の街に「コーライ~コーライ」との掛け声を響かせました。

 次の日は浅草・雷門へ。人力車に乗ってのビデオ撮影やら、得意の金魚すくいやら、楽しく過ごしました。コロナ前のキラキラした思い出です。こんな風に皆さんと、歌という文化を気楽に楽しめる日が一日も早く戻って来るよう願っています。

 闘鶏神社での『田辺コーライお笠祭り』奉納歌唱をご覧下さい。

演歌歌手 宮本静(毎月第4土曜担当)

(ニュース和歌山/2022年11月26日更新)