新しくなる南海和歌山市駅ビルに2019年10月オープンする和歌山市民図書館の指定管理者候補に、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が選ばれた。開会中の12月市議会で承認されれば、正式決定となる。CCCは「人創り・まち創りのプラットフォーム」をコンセプトに、階ごとに特色を持たせ、初年度の来館者目標を現在の5倍に当たる100万人とし、各種事業で人を呼び込む考えだ。

 新図書館は市駅ビルの公益施設棟に入る。計画では、1階はカフェと、書籍や地元産品の物販。商業棟とつながる2階は旅行や料理など実用書、文学書を貸し出し、新聞、雑誌、郷土作家の有吉佐和子コーナーを設ける。3階は研究、学習に取り組めるよう落ち着いた環境とし、移民資料室に戦前、アメリカに移住したヘンリー杉本の絵画や移民年表などを展示。4階は子ども図書館で、親子がゆったり過ごせる絵本や休憩コーナーを設置し、屋上はテラス席を配置したくつろぎスペースとする。

 蔵書は現在の45万冊を10〜15年で60万冊に増やす。2階の実用書コーナーでは「文学を旅する」「健康ごはん」といった独自の分類法を導入し、関連書籍を探しやすくする。また、本にICタグを付け、セルフ貸し出しを行う。作家の講演会など各種イベントにも力を入れる。

 坂下雅朗館長は「色んな本に出合えるワクワク感を味わえる場所とし、市駅周辺をにぎやかにしたい」と考えている。

写真=斬新なレイアウトの子ども図書館

(ニュース和歌山/2017年12月9日更新)