怖さ:3 山の妖怪 出没地域:かつらぎ町花園

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 高野山のふもとにある花園村(現在のかつらぎ町花園)、棕櫚山の中道という所に現れたので「中道坊」と呼ばれたのだろう。頭に釜をかぶり、お坊さんが着る黒衣を身に付け、木立の茂みから飛び出しては道行く人をからかう。山道、突然こんな妖怪が出てきたら誰もが驚くはずで、大方の人は腰を抜かしたり、逃げ帰ったりした。

 ある日、使いを頼まれた少年の前にナカドボウが現れた。少年は驚きのあまり、落ちていた石をつかんでやみくもに投げつけたところ 、まるで亀のように釜の中へ身体を引っ込ませたという。もしかすると「ぶんぶく茶釜」のように狸が化けた妖怪かもしれない。
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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎月第2、4土曜、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年5月14日号掲載)