怖さ:2
里の妖怪
出没地域:和歌山県各所

 和歌山のいくつかの地域では昔から、杉の木は化けると言い伝えられている。古びた杉の大木は何にでも化けることができ、木の側を男が通ると美女に、女が通ると若い男に化けては話しかけたり、子供が通ると和尚に化けて一緒に遊んだりするという。ある時、杉の木の側で優しそうな和尚さんが、子供たちに毬で遊ぼうと話しかけてきた。子供たちは喜んで一緒に遊んでいると、忽然と和尚さんがいなくなる。驚いて、きょろきょろ辺りを見回す子供たちの姿を見て、杉の木はからだを揺さぶりながら、大声で笑ったらしい。

…   …   …   …   …   …

 妖怪をこよなく愛する漫画家、マエオカテツヤさんの『和歌山妖怪大図鑑』、主要書店で発売中です(税込み999円)。

(ニュース和歌山/2019年3月9日更新)